『ライフル・イズ・ビューティフル』(一話感想)
簡易評価
【最終予想ライン】B
【一話感想】基本的には安心するラインを走る日常系作品
感想
少し間が空きましたが、残り数作品について書いていきましょう。今回は『ライフル・イズ・ビューティフル』。OPで初めて知ったんですけど「となりのヤングジャンプ」出ですか。これたしかWebのやつですよね。どうやら「少年ジャンプ+」でも平行連載している……らしい。しかしジャンプ……ジャンプかぁ。何かジャンプっぽくないですね。いや、良いんですけどね。色よりも質ですから。
感想としてはまあ「安心するライン」だなぁという感じ。足りない部員。何ともいそうなタイプのキャラ。女子同士のわいわい。概ねこの手の作品が押さえてきたであろう部分をしっかり押さえつつ、「射撃部」という要素を取り入れたという感じでしょうか。射撃要素が無い訳では勿論ありませんが、結構薄め。どちらかというと日常に軸足がある感じですね。この辺りはもう作品の色次第という感じで、このラインを取るならそれでいいんじゃないかなぁというのが素直な感想です。
全体としてはまあ安心感があるにはあるのですが、ギャグっていうか笑いどころにちょっと当たりはずれありという感じでしょうか。どうなんだろうなぁこの辺。ギャグって基本「全く響かないものがあっても、半分が響けばよし。ガッツリハマるのが少し入っていればなおよし」というスタンスで見てるので、これくらいでも良いんですかね。その辺りは受け手次第なのかな。キャラは可愛いので、毒にはならない、安心感のある作品といった感じでしょうか。同一クールだと『放課後さいころ倶楽部』と近い筋になりますが、あれよりもうちょっとほんわかしてて、気楽な感じ。
『ノー・ガンズ・ライフ』(一話感想)
簡易評価
【最終予想ライン】A~B
【一言感想】SFハードボイルドという銘打ちがそのまま当てはまる作品
感想
一話感想も大分出してきましたがそろそろ終盤。今回は見始めるのが遅かったこともあって、大分はしょりますが、次回以降はもう少し網羅した感じでやりたいなぁという感じがあったりなかったり。
で、本題。本作は電車の広告でちょっと目にしていたんですよね。FOD独占配信って感じで。独占配信って個人的にはあんまり好きではない(と、いうか作品が目にされる機会が減少しそうな行為は基本的に余り推奨したくない)んですよね。っていうかFODって何だっけって感じ。その辺りも調べて纏めようと思っていますが、それはまた後日。
作品自体は銘打ち通りSFハードボイルドって感じ。銃の世界で処理屋というフレーズを聞けば大体思い浮かべる映像通りかなぁという感じ。主人公の頭部以外は。勿論そこは売りといえば売りなんでしょうけど、どうなんでしょうね。この手の機械化された体というと真っ先に『鋼の錬金術師』あたりを思い浮かべますが、あれよりももっと機械寄り。個人的には少し行きすぎなのかなぁと思いつつ、まあこれもアリなのかなぁと思ったり微妙なところ。多分受け手次第。
後の部分は割と素直な構成ですが、話が本当にシンプルだなぁという感じ。昨今だとここを凝っているものも多くって、意外とストレートに来るなぁという印象を受けました。悪対正義的な構図もシンプルですし、悪役も分かりやすいしで、ある意味理解しやすくはありますが、しやすい分ちょっと物足りない感じはあったりもします。
とはいえ基本は抑えているので、作品の色が肌に合えば裏切ることはないんじゃないかなぁという感じです。ちなみに原作はウルトラジャンプ。なるほど、ジャンプ漫画を成年化するとちょうどこんな感じかもしれません。後気のせいかもしれませんがジョジョっぽい香りを感じました。何でだろう。やっぱり雑誌が一緒だから近い色なんでしょうか。
『神田川JETGIRLS』(一話感想)
簡易評価
【最終予想ライン】A~C
【一言感想】この作品で「やりたいこと」と基本軸となる構想が喧嘩している作品
感想
そろそろ二話が出そろい始めているのでいい加減総評に移りたい今日この頃。今日はこれ。『神田川JETGIRLS』。ちょっと調べてみたら関わっているのが『閃乱カグラ』とかその辺りに関わった人で、ゲームも出す予定らしいですね。割と多メディア展開を前提として作っていくという作品。こういうのって八割がた「気合が入ってる割には滑る」っていうイメージがあるんですよね。
さて、本題。一言感想にも書いた通りですが、作品の構想と「やりたいこと」が完全に喧嘩しているな、というのが第一印象です。『閃乱カグラ』という名前を見た段階で「ああ、なるほど」という感じで、結構エロとかそういうのを前面に押し出すというスタイルなんですよ。やりたいことは。それ自体は決して悪くはない(下手を打てば物足りない低質なエロアニメになりがちという弱点を除けば)んです。ただ、本作の場合はその「やりたいこと」が作品の構想と完全に喧嘩してる感じがあるんですよね。
本作を見た時に最初に頭に浮かんだのが『蒼の彼方のフォーリズム』で、次に浮かんだのが『競女!!!!!!!!』だったんですが、概ねその中間あたりに位置する作品といって良いでしょう。ただ、この中間というのは「二つを上手く折衷した」というよりは「水と油な要素を無理やり合わせた」というイメージ。しかも話として「面白いな」と思える前者ではなくて、後者の方を積極的に打ち出しているから何とも。エロを入れるなとは思わないですが、正直この話の構想なら「無理して入れるべきではなかったのではないか」という感想が浮かびます。『閃乱カグラ』はまだその辺の折衷が上手くいってたと思うんですが、それより一回り下手な感じ。その分青春×オリジナルスポーツという軸は普通に面白そうで、こっちを軸にした話が見たかったなぁというのが個人的な感想です。っていうかそれなら普通に続き見てたんじゃないかと思います。
『星合の空』(一話感想)
簡易評価
【最終予想ライン】SS~S
【一話感想】絵のタッチよりも大分エグめの話
感想
次はどれにしようかと眺めて、前のが大分重い話だったので、そんなことはなさそうなこれにしました。ただ、結果としてはその読みは完全に外れるという感じ。
前半の話は単純です。部活動に関する話も主人公に関する描写も、大体は予想通りに進んでいったというのが正直な感想。
ただ、後半はちょっと意外。絵としては最近だと『月がきれい』辺りに近いんですけど、内容はほんとそんな優しい感じじゃないですね……ただ、これできつい絵にしちゃうとホントアレなので、これくらい優しいタッチの方が良いのかなぁと思ってしまいます。『まどマギ』のキャラデザとはまた違った形でギャップが良い作用をしているのかなぁという感じ。
前半のスポーツ×青春系かなという流れから、後半の重い感じと家族系の話に入っていく流れは結構自然で、話としては結構期待できるんですが、重いなぁ……個人的には重い作品は結構好きなのですが、こう結構ずしっとくる重さ。話の進み自体は遅そうな感じなので、一気に見た方が良いかなぁという感じはします。繊細な内容なので余計に。
『歌舞伎町シャーロック』(一話感想)
簡易評価
【最終予想ライン】A~B
【一言感想】何故か妙にホモホモしい推理系ギャグアニメ
感想
ある程度見覚えのあるタイトルも異世界転生も終わってくると、「これはなんだろう」という作品に着手することになってきます。これはそのうちのひとつ。どうやら調べてみたらオリジナルアニメでしかも2クールらしい。何とも力の入った感じ。
作品自体はミステリーものに一応分類されるのかな?という感じ。謎解きはしていますが、割とコミカルな要素も強いです。後何故かホモホモしい。何故だろう。男キャラが多くて女のメインキャラクターが少ないので、対象がそもそも余り男性向けではないという事なのでしょうか。分かりませんが。
登場人物の名前が「シャーロック」に「ワトソン」と来れば有名な探偵小説が思い浮かぶわけですが、その辺のもじった感じは少しだけ『文豪ストレイドッグス』を思い出しますね。あれは文豪ですから作者の方でしたし、もうちょっとバトル的な要素も差し込んではいましたが。
全体としては結構安定感があって、いい意味で目新しい感じもあるのですが、見ていて割と「何だろう、これ……」という感想の方が強かったです。意味が分からないという訳では無くて、余り見ないタッチだなぁという意味で。このノリが最終的に少しシリアスになっていくんだろうなぁという感じ。あ、ちょっと近いラインだと『サムライフラメンコ』もこの線かな。でもあっちの方が分かりやすいタッチだったかなぁ。
『アサシンズプライド』(一話感想)
簡易評価
【最終予想ライン】S~A
【一言感想】繊細さがあればトップクラスだったであろう作品
感想
少し間があきましたが次はこれ。『アサシンズプライド』。タイトルだけは知っているシリーズですね。何で知ってるんだろう。ラノベの新刊に興味が無くなってから出てきた作品だとは思うのですが。
端的に結論を言うと非常に惜しい作品です。細かいことを触れようと思えば内容のネタバレが必要になるのですが、映像作品としての質が高いです。その上で昨今の「見るストレスを極力無くした結果山も谷もない、見ても見なくてもいい作品」になっていないのが非常に好感が持てます。ちなみにこれはファンタジア文庫の大賞作。やっぱり何だかんだいってプロが選別したものの方が良いですね。それでも粗はありますが。
一話の後半部分はかなり力のあるものだった半面、主人公とヒロインの関係性とキャラクターに関してはもう少し掘ってからやる話だなぁと思ったのが正直な所。イメージとしてはギャルゲなどのシナリオで共通ルートがすっ飛ばされているような違和感というか、うーん。その辺をテンポのよさと言えば聞こえはいいですが、自分には繊細さが足りないと映りました。これは正直な感想。
ただまあ、そんな部分を勘案しても、今期の中では普通に上位です。ある程度「おっ」と思うシーンがあっただけでも大分良い方という感じ。ライトノベル出身ですが、良い意味でライトノベルっぽくで、良い意味で既存のライトノベルらしくない要素も持ち合わせているという感じでしょうか。大賞をあげたくなる理由は分かります。ただ、それをもっと磨き上げることをして欲しかった、というのは欲張りなんでしょうかね。ファンタジアって結構そういう所ありますよね。素材そのままドーンって感じで。
今井リサ弟問題とかいろいろ
こんばんは。
今回はちょっとした時事ネタのようなものについて少し。
今井リサ弟問題
このフレーズだけでピンとくる人も多いでしょう。先日(イベントの開始日なので10月11日でしょうか)ちょっとした話題となった話についてです。端的に言えば「あるキャラクターに作中で今まで全く言及されてこなかったのにも関わらず、いきなり弟がいるという設定が追加された」という話。ちなみに問題の会話がこれ。
この会話は、現在開催中のイベントで交わされるもので、これが物議を醸しだしたという訳です。
とまあ、ここだけ切り取ると正直「どうでもいいこと」のように見えます(実際その上っ面だけを見て話題に首を突っ込んでいる人を何人も見ました)。実際、キャラクターに弟がいたかどうかは、通常そこまで大きな問題になる事は無いと思われます。ただ、今回の場合は微妙に状況が違って、過去の話との整合性が取れにくいという部分に問題があります。以下はこれより過去に行われたイベント(確か)で交わされた会話の一部です。
どうなんでしょうね。巴は姉ではあるものの、居るのは弟ではなく妹(あこ)です。なので、妹がいる気持ちは分からないと考えれば一応説明がつかない訳ではないです。ただ、掘り起こしていくとこれ以外にも弟がいるとは思いにくい会話が過去に交わされているらしく、そこが疑問視されている、というのが問題の根幹みたいです。
何故こんなことになってしまったのか
上記の問題は一見、些細なことに見えます。ただ、気になるのは一体どうしてこんなことになってしまったのか、という部分です。
弟絡みの部分がイベントシナリオの根幹に関わっているのならばまだしも、上記の場面は正直ちょっとした雑談に過ぎません。言ってしまえばイベントシナリオの導入部でしかないこの部分で、「弟」という新しい存在を出す必要性は無いと言って良いでしょう。それこそ近所の子供の面倒を見ていたというエピソードがあるくらいなので、その延長で良かったはずです。
にも関わらず、あっさりとこんな矛盾を生む設定が追加されたのは何故か。それは恐らくシナリオを書いた人間が、余りキャラクターを理解していなかったという事ではないかと思われます。これは自分の感じたことですが、今回のイベントシナリオは全体的にどうも薄いんです。キャラクターの台詞回しや、それぞれの好みなど、そこまで間違っているという訳ではないんです。ただ、全体的にどうもキャラクター理解が薄いような、そんな印象を受けました。
このゲームは一月に三回もイベントをやります。そして、そこには必ずそれなりの長さでシナリオが付きます。一人の人間でやるという訳にも行かないかもしれません。当然複数の人がシナリオを担当したり、或いは外注したりという事もあるかもしれません。その中で、今回担当した人の認識が甘かった。それが一つの結論であるような気がするのです。
ただ、もし仮に外注なりでシナリオを書いてもらったとしても、今回のミスは防げたはずのものです。何故なら、最終的に「キャラクターをよく理解した人間」がチェックと修正を入れればそれで済む話だからです。会話はあくまで話の導入でしかない以上、違和感なく差し替える事は難しい事ではありません(正直文を書くだけならば即興でも出来たくらいでしょう)。にも関わらずそのままで通ってしまっている(その上今だに修正もされていない)というのは、「最終チェック」はしていません(或いはしていたとしてもその程度の差は大したことがないというレベルの認識をしている)という事なのだと思うんです。
コンテンツの揺らぎはより大きな「やらかし」の兆候ではないか
キャラクターの細かな設定(それこそ人を呼ぶ時の呼称など)は見落とすことはあり得る話です。実際一人の人間が書いていたとしても呼称などを間違えることはあり得るもので、そういったミスはある意味「完全には防ぎきれないもの」だと思っています。
ただ、今回の話は、上記で書いた通り、正直「防げたはずのミス」です。多くの人間がシナリオに関わる以上、その整合性はより気を使わなければなりません。過去の台詞との矛盾が生まれれば、キャラクターの輪郭は大きく崩れます。その辺りは一人が書いているのであればズレにくいところ(設定を作っていなくてもどっちかのイメージは持っているものでしょうし)なのですが、多人数が関われば関わった人数分崩れやすく成ります。そのことについての認識があまりに足りな過ぎたのかなぁと思う訳です。
実は「バンドリ!」のアプリに関しては先日から少し距離を取っていました(やってはいる)。先日追加された要素が「ただのお遊び要素」にしてはハードルが高く、違和感を感じた、というのが正直な所です。そして、思い起こしてみれば、コンテンツに「あれっ」と思うことが増えてきているような気がするのです。
以前に声優が交代したときには違和感の少ない「近い声」の人を連れてきていたのに、二回目となった春先の交代では、演技こそ上手いものの、イメージとしては「遠い」感じになり今だに違和感がぬぐえていません。アニメの二期、三期はCGアニメですが、正直「一期みたいな絵の方が良かった」と二期を全話視聴してなお思います。更に、二期のアニメは後半こそ良質なシナリオだったものの、前半はキャラクター紹介やライブなどが前面に押し出されていて個人的には「?」という感じでした。劇場版は同じくCGで、しかもライブをアニメでやるという形になって、ますます「?」という感じでした。
勿論、楽曲やリアルライブという需要があることは重々承知していますし、楽曲自体は良い物があると思っています。ただ、この手の小さな違和感が積み重なっている状況は余り良くないのではないかという気がしてならないのです。今回のミスも再発生は防ぐことが出来るかもしれません。ですが、根本的な部分でのズレは多分そのままなのではないかなぁと個人的には思っています。
アニメの三期がもう少しという所まで来ています。ただ、これのシナリオが今から心配だなぁという感じがしてなりません。きっとライブMVを押し出した構成になっているとは思うのですが、そこでシナリオやキャラクターを好きで追っている人からの評価を落としてしまうのではないか。そんな気がしてならないのです。杞憂であればそれで構いません。ですが、昨今こういった大きくなったコンテンツが「アニメの失敗」から崩れていったのを何度も見ているので心配でならないのです。今は今回の失敗が「イレギュラーなものだった」という評価になることを祈っています。