八夏祭感想
こんばんは。もう少し時間が経ってしまいましたが、今回は八夏祭のシナリオ全体をざっくりと振り返っていこうと思います。具体的には、
・答えの在り処
・未だ見ぬ夏の夜は明けて
・熱夏の始まり
・熱夏は止まず
・熱夏のマウンド
・熱夏に燃える矜持
・去り行く熱夏 消えない残像
辺りの話についてざっくりと。当然のようにネタバレ有りです。
まずは「答えの在り処」。これが出てきた時は正直な所違和感バリバリでした。一つだけ明らかに時期が違うし、雰囲気も違うという事で。
時期としては野球部が出来てから東雲が入部した辺りの話……という事に一応はなっているのですが、この辺りがどういう解釈をするのが正解なのかは不明。
メインストーリーにこういう描写は無かったので「上手くいかなかった世界線」というところでしょうか。それを説明してないのは責任を放棄してると思うけど。これだけで分かれというのは余りにも適当すぎるし。
話の動きとしてはデレスト「楽しさに潜むモノ」と大体同じ。あれよりもリアル感がある感じ。要は「楽しくやる事」と「甲子園を目指す事(上手くなること)」の天秤というところでしょうか。ストイックを取るか、それなりの、言ってしまえば「野球部ごっこ」を取るか。その狭間で揺れ動く……的な話。ぶっちゃけこの話だけだと何とも言えない感じ。
そんな中で気になったのがここ。
これ、結論から言っちゃうと答え合わせされてないんですよね。勿論それっぽいのをにおわせてはいるんだけど。こういうの駄目だと思うなぁ。
勿論、読みこめば見える部分もあるでしょう。でも基本的にはオートで一回読んですっと通るシナリオであってほしいですね。考察はあくまで隠し味を発見するものであって、メインとなる味を見つけるものではないですから。
そして、これよりも(恐らくは)時間軸が進んだ後の話と思われる八夏祭の話。まずはその前の練習試合の一幕。
そのチームを見たライバルのコメントがこれ。
野球っていうのはチームでやるスポーツな訳で、適当に走って、守って、投げてしていいわけではない。そんな基本が分からない状態のまま、チームは大会に突入するという話でした。
まあ、ぶっちゃけ全員が個人プレーでも勝つチームは勝つんですけどね、正直。そこは無視してほしくないなぁというのが個人的な感想。
勿論良い事ではないですけど、そういう「純粋なる力」って存在するものなので。それを無視して「団結一番!」ってやられるのはちょっと気持ち悪い。天才と凡才の話は永遠のテーマなんです。アイシルの蛭間と阿含が上手かった記憶。違ったかな。
で、大会に出るかどうかという部分での会話がこれ。
この辺りからの有原の「無駄」アレルギーが凄かったですね。遊星のクズアレルギーを思い出すくらい。
で、思い悩んだ有原の取る行動がこれ。
この辺りからの有原は自分だけで何とかするという魔物に憑りつかれたようになっていきます。うーん個人的にはこういうの好きですね。ぶっ壊れる直前みたいで。
で、初戦。有原が抑えて、4-1(だったかな?)で勝ち進む展開でこれ。
そんな状況を東雲が良しとするはずもなく、
この感じ。
結局の所、この話って完璧にどうこうするのは不可能なんですよね。東雲というキャラクターがブラックボックス過ぎて。彼女が語っている事や、彼女の行動に謎が多すぎるんですよ。単純マウンティングガールに見えるけど、多分もっと複雑だと思うんですよ。その辺りが見えてこないとコメントしづらい。
個人がどうという話なら彼女がストイックになればいいだけの話だし、部活動として、チームとして勝利を目指したいのなら強豪校に行けばいいだけの話で。色々謎多き人物。それが東雲龍。有原の才能を買っていて、そんな人間がお遊びにつきあうべきではない……っていう部分はちょっと衣遠兄様っぽいですね。うん。
この一幕だってそう。じゃあそういう環境に行けばよかったじゃんってなる訳で。
クラブチームに入っている以上、環境としては今の野球部より良い環境を選んでいた訳で、にも拘わらず、やっぱり野球部にかかわり続けているのは、なんらかのこだわりがあるんだろうけど、今の所まだそれは見えてこない。個人的には一番気になってる部分なんだけど。
その他の面々も色々。印象的だったのがこれかなぁ。
あんまり語られてないんだけど、この「凡人」的な語りは個人的に結構好きな所。これをどう消化していくのかはまあ、色々あるとは思うんですよね正直。余りいい語り方ではないんですけど、こうやってキャラクターメイキングされている以上、何か持ってるものがあるはずなので、それを生かした活躍がきっとある、ハズ。頑張れ。
後もう一つ。個人的にこれはという語り。
要するに「楽しさ」と「上手くなること」の両天秤を抜け出した先の話。要するに「楽しんでやる事が上達にもつながる」っていう立ち位置。何でもそうなんですけどね。嫌々やるより、楽しみながらやる方が伸びる。だからやる気になれるかどうかが結構大きいなってそういう話。
勿論前述の「才能」の話もあるんですけど、そことも噛み合ったりかみ合わなかったりする話じゃないかと思います。ここ、もう少し掘ったらいいのかな。
で、最後。全員が別の方向を向いていたと掛橋先生に説教をくらい、代打志願した野崎が見事に見逃し三振でノーノー成立という話でした。このくだりは長いから割愛。
その後、夏祭りと共に、各々の思いや後悔が語られるという形。で、最後が有原。
うーん……
こうやって纏めてみて思ったけど、話がわちゃわちゃしすぎですね。地雷が多いっていうのはこれの事なのかな……
部員皆それぞれに思うところがあるのはその通りで、同じ方向を向いていなかったから負けたという話にはなってるんですけど、どうなんだろうなぁという個人的な所。
結局の所向月は「理想」とされていながらあと一歩及ばなかった。そこにあるのは「向月の形も駄目」という示唆に他ならない。じゃあどうしたらいいのか。多分言いたいのは「全員が一丸となって、誰か一人がじゃないチームになる事」なんだと思うんですよね。
ちょっとすぐにソースが出てこないんですけど、筒香が言ってた「シーズンが終わった時に、全員が『自分こそがMVP』だと言える事が良い」みたいな話と重なってくるのかなぁ、と。
例えば「才能」が足りないなら足りないなりに出来る事もあるし、上では上げなかったですけど「情報」という形で貢献する事も出来るんじゃないか……みたいな、そんな感じ。全員が「チーム」としての勝利に向かう。それが理想形として掲げたいのかなぁというのは自分の勝手な憶測。そして、その行く先に甲子園がある……という作り。どうなんだろうなぁ……個人的には「甲子園」というフレーズが凄く浮いているように見えるんですよね。坂上イベの時に書いたんですけど。
後は単純に、負けました、チームとしてまとまってませんでした。だから纏まりました。勝ちました。なんてやったらおいおいって感じなんですよね。そもそもこの話と他の話、特に「球春」の関係性がはっきりしてないので何とも言い難いんですけど、こんなぐっちゃぐちゃした方向を向いている人間たちが簡単にまとまるものかねというのが疑問符。
後は単純に突然不穏な伏線がばらまかれて、唐突に悔しがり出したのが何だかなーって感じ。いやいや君たちそんなに悔しがるような前振りありました?っていうね。有原とかはまあ分かるんですけど、大会で負けたとはいえ、そもそもの覚悟が足りてない以上そうなるのは必然で、そんなにならんだろう見たいな所が個人的にはありますね。やっぱり悔しがるためには思い入れが必要なんですよ。
それから「呪い」。これについては正直よく分かりません。っていうか分かるように作ってない。強いて言うなら「軽い気持ちで野球部に誘ったけど、野球部ってそんな軽いもんじゃないぞ」って事でしょうか。でもそれだって軽い部活にしようと思えばできるしなぁ……甲子園がどうこうってのは有原が言い出したことだけど、それを野崎にふるのはうーん……
やっぱあれですね、全体としてまとまりがなぁ……というのが正直な感想。後は二子玉と清城の話とかも全然生かされてないなぁって。
一人で投げ切る云々の事に関してやりたかったなら二子玉要らないし、理想を示す為にも界皇をチラ見せしておくべきだろうけどそれは無いし。その部分に関してはSSで勝手に妄想して補完しました。あれであってるかは分からないですけどね。ハチナイ運営の理想と自分の理想は多分敵対関係にある気がするんで。
そんな感じで八夏祭のざっくり感想でした。まあ何が言いたいかっていうともうちょっと綺麗に書きたい事を纏めてから書きましょうねって感じですかね。ラブライブ!とかけもフレ辺りの例が出てからこういう「読み手に考察を投げる」みたいなものを気取った「出来が悪いだけの物」を書く人増えた気がするなぁ…良くない。