月明りに照らされて

蒼風さんが創作について忖度無しに語り倒すだけのブログ

『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』感想

 こんばんは。

 今日はこれ。少女☆歌劇 レヴュースタァライト(以下スタァライト)』。現在公式のYoutubeチャンネルで無料で見る事が出来るようになっているという事で、見てきました(4/26~5/6まで)。内容自体をガッツリどうこうするという訳でも無いのですが、一応例によってネタバレ注意という事で。

 

 さて、この作品。どう評価したらいいんだろうというのが正直な感想だったりします。いや、作品そのものの構造は間違ってるって感じではないんですけど、とにかくまあ、分かりにくいっていうか、うん。そんな感じ。

 作品のイメージとしてはやっぱり「アイドル版まどマギ」として処理されていることが多いみたい。まあ舞台少女とアイドルをイコールとして捉えるのは違うかなぁと思ったりもするのですが、大体そのイメージです。まどマギとは言いますが、どちらかというと魔法少女育成計画とかその辺の方がイメージ的には近いのかなぁ……別に全部見ている訳ではないのですが。

 

 じゃあ何でまどマギって言われるのかといえば、大体は「ヒロイン(神楽ひかり)」が「自分を犠牲に世界を救う」という動きのせいかなぁと。

 この動きはちょっとまどマギと違う所があって、まどマギだとまどかが世界の法則を作り替える事で、いわばほむらを含めた魔法少女たちを救う(救えていると解釈していいのかはやや議論の残る所だとは思いますが)という流れなのですが、スタァライトは逆にまどかと同じく主人公ポジションの華恋は、どちらかというと救われる側で、彼女の持つ輝きを守るために、ほむらポジションのひかりが犠牲になる。というのが流れで、完全に逆なんですよね。

 ただ、その配置転換の結果(あるいはその為の配置転換)、華恋が最終的に、ひかりを含めた全舞台少女を救う(と表現していいのかは微妙)という形で一応物語は終わります。多分、シナリオ考えた人は『まどマギ』のあの終わり方があまり好きじゃないんじゃないかなぁって思うんですよね。一応あれはあれで話として完全ではあるんですが、やっぱり救いがあるといえばあるし、無いといえば無いので、スタァライト』みたいな終わり方の方が話としてはハッピーな終わり方にはなってると思うので。

 と、まあ、こんな感じで、イメージとしては「よりハッピーエンドなアイドル版魔法少女まどか☆マギカと表現するのが一応良いのかなという感じなのですが、欠点が一つだけ。その結末についての理解がやや難しめ。

 

 この辺りの考察とか理解って結構色々あって、ただ単純に馬鹿でも分かる話にしたらいいのかっていわれればそれは勿論違うとは思うんです。ただ、それを前提としてもちょっと伝わりが悪いなぁというのが個人的な感想です。

 華恋の運命の舞台というのはつまり自分の人生そのものであり、そのためには争った舞台少女の輝きが無くてはならない。だから、全員幸せなままなんだ……というのが一応自分の解釈なのですが、そこに至るまでの情報がやや少ないかなぁという感じがしました。

 この辺りがまどマギだと結構はっきりしていて、取り敢えず魔法少女になったら願いがかなえてもらえるとか、ワルプルギスの夜だとかその辺りの話については解説があるんですよね。ところがスタァライト』だとその辺りが全く無くって。

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 このキリンに関しても結局明確な説明って無いんですよね。いや、まあ何を目指しているのかは分かりますし、ある意味での舞台装置であって、そこに説明なんて必要はない、と言われればそれまでではあるんですけど、その辺りの見るうえでの「座る位置」がかなり進むまで分からなかったんですよね。

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 これを見た時に、ピングドラムとかその辺りを思い出して、軽く調べたら監督が関わってましたね。うん。まあ見てないんですけど、ピングドラムでもそういう雰囲気だろうなぁという予測はしてたので。

 この辺りは難しいんですよね。説明は入れすぎちゃうと当然しらけるし、かといって全く何の説明もなく置いてきぼりにすれば、ついてくる人間だけのムラとなるし、それが勿論尖った作品を生み出すというのも否定は決して出来ないんですけど、それでもなお、「もう少し分かりやすい説明があったらなおよかった」というのが個人的な感想になるんですよね。大場ななの話がもう少し最初期からちらつかされてたら完璧だったかなぁ……あれで大分舞台の大枠が分かるんですよね。まあ完全には分からないんですけど。説明されてないものは結局想像でしかないですからね。どんなに偉そうに考察しても。

 そんな感じで。決して悪くはないんだけど、説明が少ないので、その辺りちょっと力を使う作品でした。後はまあ、百合。これはある程度漏れ聞こえてたんですけど、ホントそういうムーヴを感じる。わざとやってると思うんだけど、その辺りは「ラブライブ!」よりももっと強いかなという感じ。

 その代りあっちはシナリオの方に(無印は)軸足を置いていたので、だからこその大ブームなのかなぁと思うんですよね。そういう意味ではこっち(『スタァライト』)を支持したいのはあるんだけど、もう少しなぁ……やっぱちょっと人を選びすぎるなぁ。

 

 後はまあ現実のミュージカルと絡めていて、作品そのものもちょっとミュージカルっぽいです。宝塚の男性向け版(雑)というイメージもちょっと受けて、そういう物を作りたいんだろうなぁという意図は見えます。だからミュージカルとかが好きだともっと受けはいいと思います。ただアニメ、特に深夜アニメを見る層と、ミュージカルを見る層って基本的に大きく被っては来ないと思うんだよなぁ……

 そんな訳で感想、でした。全体的に間違った構造をしている訳ではないんだけど、やっぱり説明不足感があって、その辺りで評価を落としてSって感じです。なんかそういうの多いなぁブシロード絡み。もっとうまくできただろう、みたいな。

 

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