月明りに照らされて

蒼風さんが創作について忖度無しに語り倒すだけのブログ

『大逆転裁判2』(感想)

※noteからの転載記事になります
※作品単体というよりは前作と合わせての感想になります。
※前作に関しての感想はこちら感想 

 

感想

 と、いう訳で、無事にクリアしました。いやぁ結構長かったですね。これのセールやってたのいつだっけ?多分先月の頭くらいですよね。それが終わるギリギリくらいに買ったはずなので、概ね一か月はかかった計算になります。

 

 結論から言いましょうか。個人的には大分「期待外れ」だったと言わざるを得ないです。

 

 全体を見れば一応話の筋は通っています。早い話が、明確に「伏線だ」と言い切れるレベルのものは回収しきったと思います。
 話や情報が「語られない」という形で抜け落ちていることはありましたが、嘘がつかれたわけではないので、一応自分の評価としては「話の筋は通っている」という評価であるBになってくるんじゃないかと思います。

 

 ただ、正直なところ自分としてはCを付けたい気持ちがあります。
 理由は様々です。細かいところに関しては検証を入れなければならないのですが、一番の理由はやっぱり「伏線か、そうでないかが分かりにくすぎる」ということでしょうか。
 木を隠すなら森の中。確かにその通りなのですが、やっぱりシナリオで一番大事なのは、読み手が「伏線をそれとして認識しきること」だと思うんですよ。その境界線があいまいになっていたかなぁというのが個人的な感想です。
 真実を隠そうとするあまり、伏線がかなり薄いものになって、伏線でも何でもない事実が伏線に見える。作りとして「良い」とは正直思えません。これを「読み手がちゃんと読めばいい」というのはあまりにも甘い評価でしょう。

 

 前作が終わったとき、自分はきれいに伏線が張られているなと思いました。そして、2を作る前提のもと、シナリオを全部くみ上げてから作ったのではないかと思っていました。
 しかし、2をやってみて思うのは「1の時点ではシナリオは完成していなかったのではないか?」ということです。早い話「1で提示された話のスケール」と「2で提示された話のスケール」があまりかみ合ってないんですよね。


 自分の1が終わった時点で提示した「S~A」という評価は実のところその「想定されるスケール」をそのまま評価に結び付けた形になるんです。
 しかし、やっぱりというか、スケールはそこから落ちる形になってしまいました。そもそもあそこから自分が思い描いた以上のスケールになる名作だったらもっと話題になってると思うんで、まあ想像通りといえば想像通りですが。

 

 良い部分が無いわけでもないです。前作の感想でも述べた通り、BGMは好きです。後は推理パート等、こまごまとしたところで新しく、面白いところはあったと思います。

 ただ、全体で見ると「盛り上がりきらないうちになんとなく綺麗な話にまとまったなぁ」という感じですかね。
 もちろん、作中感覚で言えばとんでもない事件があったのは確かなんですけど、それが主人公である成歩堂自身の問題といまいち繋がっていないのがやっぱり緊張感の薄さなのかなぁ。

 

 全体的にはスケール感ほどの盛り上がりの無い作品だったなぁというのが個人的な感想です。面白い面白くないで言えば面白かったとは思うんですけど、前作が終わったときの期待には応えられてないな、という感じ。
 BGMとかデザインとか、そういう表面のことと、壮大な話が終わった感だけは出てるのはいかにもここ数年の創作だなぁって感じですかね。中ががらんどうじゃない創作をもっと見たいもんです。

 

 

 

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