『旗揚!けものみち』(一話感想)
簡易評価
【最終予想ライン】A
【一言感想】良い意味で頭のおかしい吹っ切れたギャグ作品
感想
間に挟む形式で行こうと思ったのですが、何となく軽いものが良かったので、恐らくはギャグ系で、ある程度の質は担保されているだろうと考えていたこの作品を。連続異世界転生ですが、まあ性質は全く違うのでよしとしましょう。
原作が『この素晴らしい世界に祝福を!(以下このすば)』の暁なつめという事で二つの可能性が考えられました。ひとつは有名作品の作者ではあるけど、作者の手数が少なく二作目は大したことが無いという可能性。そしてもうひとつは二作目になってより吹っ切れるという可能性。
結論から言えば本作は後者だと言えるでしょう。つまり吹っ切れてます。『このすば』を見たことがあれば説明がしやすいのですが、あそこに獣要素とホモ要素(若干ですが)をぶち込んでやればこんな感じになるだろうなという作品。
『このすば』のカズマはカズマで良いキャラをしてましたが、こっちの方がより吹っ切れてていい感じ。可愛いキャラも出てくる(獣人がほとんどですが)というのも良いですね。全体的にはやっぱり『このすば』を見た時と同じ感想で「可愛いキャラの出てくる『ギャグマンガ日和』」っていう感じ。絶対作者好きだと思うんだよなぁ……『このすば』のときよりもより近い印象を受けました。正直。良いんですけどね。
ギャグ作品っていうのはやっぱりふっきれているというのが結構大事で、そういう意味ではホントに良い。というか異世界転生ってギャグとホント相性良いですよね。シリアスの場合は幅が狭いけど、ギャグの場合何でもあり感が強化されるので動きやすくなるというか。その土壌の広さをうまく使える人だなぁという感じ。武器の種類は同じですが、差別化は出来ているので力はあるんだなという印象ですね。良い意味で馬鹿らしく、笑える良作と言って良いと思います。
『私、能力は平均値でって言ったよね!』(一話感想)
簡易評価
【最終予想ライン】C
【一言感想】味の薄い萌え系ギャグ作品
感想
異世界転生作品を間に挟むシリーズも四回目。そろそろストックが尽きる(っていうか尽きてほしい)はずなんですけどね。本当に数だけは多いですね……
感想としてはは、数段起伏の少ない『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』という感じ。起伏と言うか味の薄さというか、とにもかくにもインパクトの薄い作品だなというのが第一印象。平均値が如何にして現在の主人公になったのかという種明かしの部分だけは面白かったんですけど、それ以外は正直うーんという感じ。
きららアニメっぽい絵柄で、シリアスよりは笑いに寄っているので、イメージとしては異世界転生版きらら四コマとして考えるのが妥当なのかなという感じですが、とにかく味が薄い。そこまで笑えるわけでもなく、じゃあシリアス的に面白いかと言われればそうでもなく、キャラデザは悪くないけど、それを売りに出来るほどつよいとも思えないという武器の無さ。
きららで言えば『ご注文はうさぎですか?』辺りも正直自分からするとあそこまで盛り上がるのは理解しづらいのですが、原作の絵が上手いなどの点でぎりぎり説明は出来るんです。この作品はそういう強さがあるような気配もないという。そこまで問題点があるわけでもなく、減点する箇所は多くないのですが、とにかく加点要素が少ない。そんな作品でした。これの前にかなり良いものを見てしまったこともあって本当に落差が……
『バビロン』(一話感想)
簡易評価
【最終予想ランク】S
【一言感想】ほどよい重厚感のある良作の予感
感想
この前が軽めの作品だったので、今度は重そうな作品が良いだろうなという考えでこれに。別に内容を知っていた訳では無く、何となくの印象での選出。
結論から先に行きます。漸く「力のあるのが来たな」というのが正直な感想です。連続してみるよりも一気見した方が正しい評価が出せる気がするので、恐らく毎週追うようなことはしませんが、追うだけの価値がある内容だと思います。ただ、ちょっとダークな雰囲気なので、見る時間帯は深夜じゃない方が良い気がしないでもないですが。
ジャンルはサスペンスとなっていますが、一般的なイメージは推理小説と接触するかなというイメージです。多分専門的に言うならばジャンル分けはあるのですが、警察、弁護士、探偵辺りが事件の真相を追う話であるのは共通で、そういう類の話です。
一話を見終わった段階でチェックしたのですが、別に短い話が繋がるタイプのアニメではなく12話で一つの物語となっている気配なので、個人的にはますます期待。捜査の手口等を楽しむだけではなく、全体のシナリオを楽しむという事が出来る作品なのは嬉しい所ですね。テンポも悪くないですし、ここまで見た中では唯一「見入る」という表現を使ってもいいかなという作品でした。いや、ホントどこから出てくるか分からないですね。良作。
最終予想ランクはSとしましたが、自分の中では結構幅があって、あくまで最頻値というか「一番落ち着きそうなライン」がSというイメージで付けました。実際にはまだSS~Aくらいの幅はあると思ってもらって構いません。ただ、B以下はよっぽどおかしな話にならない限りは多分ないと思います。期待のできる良作です。
『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜』(一話感想)
簡易評価
【最終予想ランク】A~B
【一言感想】異世界転生を綺麗に利用した嫌味の無い作品
感想
何故か一回ごとに異世界転生を挟まなければならないシリーズ第三段。流石に半分が異世界転生ということはあり得ない(ファンタジーまで含めればありそうですが)と思うので、これが最後でしょうが。
異世界転生。もう見るだけで「またお前か」感が凄いですが、同一クールの中では一番綺麗な作りをしているかなという感じ。無双するといえば無双なのですが、どちらかといえば「過去にタイムスリップして、現代の技術で活躍する」という軸に近い無双。一話だけなので断言は出来ませんが、恐らく主人公にも知識はあるでしょうし、変な言い方にはなりますが、異世界転生にしては「嫌味の無い作品」だなというのが正直な感想。
ただ、どうかなぁ……基本的な軸は良いんですけど、やっぱり目的が本一つにしては話の進みが遅いなぁという感じがするんですよね。いや、良いんです。話の進みなんてゆったりでも。ただ、ゆったりならばゆったりで、日常系同様に世界の空気感を重視してほしいんですけど、そういう要素は無くて、今のところ「単純に進行が遅い」という感想にとどまっているのがちょっと勿体ない点。その他細部に気になる所が無い訳では無いですが、全体的には面白い作品で、ここまで見てきた中では「時間があれば見てもいいかな」と思える数少ない一作だったかなという感じ。周りがあまりに振るわなすぎるから相対的に評価が上がっている可能性も否定は出来ませんが、ある程度以上の水準は確保されていそうな印象は受けました。
『戦×恋』(一話感想)
簡易評価
【最終予想ランク】B~C
【一言感想】発想は良いけど活かし方が惜しい作品
感想
基本最近は創作物を追うという事をしていなかったのですが、その中でも数少ない名前に憶えのある作品。何でだろう。QMAのエフェクトにでもあったんだろうか。まあ読み方がちょっと凝ってますからね。「ヴァルラブ」って。
で、本題。何かシリアスっぽい雰囲気を醸し出していますが、ラインとしては『To LOVEる -とらぶる-』『魔装学園H×H』『デート・ア・ライブ』辺りでしょうか。作品を構築する要素は「ハーレム」「全年齢作品での際どいエロ」「キャラクターとの好感度が重要になってくる」とまあこんな感じ。恋愛感情を力に変換するというのは着想としていいと思いますし、可愛いキャラクターを可愛く(時にエロく)描けるというのはある意味土台の強みかなぁとは思います。そういう意味で「可愛いキャラを楽しむ」という点に集中すればそれなりに楽しめるのかなぁという感じはします。
ただ一方で何だろう……その発想を活かす上でちょっと中途半端な感じ。例えば上記に上げた作品で『To LOVEる -とらぶる-』なんかは余り非現実的な要素はあまり無く(ララなどの存在はまあ非現実的ではありますが)全体としては割と現実的で、その中で話が進んでいくところがあります。『デート・ア・ライブ』は逆で、非現実的要素にかなり振り切っていた(確か)はずで、いわば恋愛感情などを武器としたバトルのような様相(表出の仕方は大分違いますが、本質は『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』や『神のみぞ知るセカイ』も近いかな?)です。
一方で『戦×恋』はその辺がちょっと中途半端感があるなぁというのは個人の感想です。勿論一話だけしか見ていないので、ここから細かいところは説明されていくんだとは思いますが、最初の敵を倒す前にして欲しかった説明とか、整えてほしかった土台が無いままスタートしているような、そんな印象を受けました。
可愛いキャラを見るという点では悪くないとは思うのですが、どうなんだろうなぁ……結局この手の作品って主人公が案外重要なので、そのメイキングもちょっと気になるなぁと。ホントにキャラを楽しむって感じの作品、でしょうか。
『俺を好きなのはお前だけかよ』 ジャンル:アニメ
簡易評価
【最終予想ランク】A~B
感想
2019年秋アニメの中では数少ない最初からタイトルを知っている作品。電撃大賞の金賞と言う事で名前だけは(たまたま知っているだけという可能性が高いですが)知っていた作品。内容に関してはほぼノータッチ。まあタイトルからして少し捻った系だろうなという予想はしていましたが。
で、感想。一言で表すならば上記の通り。テンプレを笑いに変えるというタイプの作品。ジャンルとランクは違いますが、同一クールであれば『慎重勇者』は該当するのかなという感じ。先日少し話題になっていた作品もやはりラブコメの鉄則的な部分から外した話になっていたので、そういう話が流行り(と、いうかそうしないとそろそろ受けないフェーズに突入している)んでしょうね。
内容そのものはまあまあ面白いです。前半部分が途中から予定調和なので、原作で読むには良いけどアニメだと冗長かなというくらい。後の部分は問題無し。それを受けた後半部分もやはり話としては読めるもので、それも踏まえた上での笑いという感じ。
コミカルタッチではありますが、最終的にはある程度シリアス話に踏み込んでいくだろうという事が想定されるので、ヒロインとして出てきたキャラとはなんらかの波乱があるんだろうな(無いと名前付きで出てきた意味があまりない)いう感じ。んで、くっつくのは最後に出てきた彼女という話。まあそこは読めないようにしてないでしょうし、そこまでの過程を楽しむのがラブコメですからそこは大丈夫。
ただまあ、話はある程度読めるという前提で考えても、もう少しパンチがあるともっとよかったかなぁというのは個人的な感想。この辺のパンチ力不足はもう大体の作品に感じるんですよね。基本土台は良いんだけど尖りがないなぁという感じ。これはまあ、それなりにある方ではありますが。
話としては安定していますし、それなりに笑える作品ではあって、キャラも可愛い(一番のメインは個人的には響かないビジュアルですが)んですが、うーん。なんだろう、このもやっとする感じ。もう少し大きなサイズ感が欲しいかなぁというのが個人的な感想です。あ、でも秋野桜のビジュアルは好きです。うん。彼女の出てくるところだけは見たいかも。
『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』 ジャンル:アニメ
簡易評価
【最終予想ランク】C~D
【一言感想】異世界転生テンプレに乗せない方が良かった作品
感想
何故か気になったものと異世界転生を交互に描くことになってしまっているのは、きっと書き始めるのが遅かったから。次の機会があれば時系列順とかもう少し考えます。
と、いう訳で四作品目。多分及第点であるランクBより上には来ないだろうと思って視聴した作品その2。結果としては確かに「及第点未満」ではあった一方で、「ところどころに悪くは無い点もあったといえばあった」という感じ。
簡潔な感想は上記の通り。タイトル通り主人公(たち)が異世界に転生する訳ですが、正直な所その「テンプレート」みたいなものに乗っからない方が作品が面白くなっただろうなという要素が随所に入っていました。
基本的にこの手の作品は、読み手のストレスを除去することを考え、「異世界に転生する」「主人公が無双する」「ヒロイン等の好感度が最初から妙に高い」等の要素がちりばめられているのですが、その辺に関わる部分は全部無い方が逆にシナリオとしては面白かっただろうなという感じがします。正直。
タイトル通り、超人と言われるレベルの技術・知識を持っている高校生たちが転生し、それらを活かして生き抜く(と、いうか多分無双する)のがこの作品。で、何となく仄めかされた伏線が最後の方で良い感じに回収されて終わりみたいな話になりそう(書いた段階ではどうするか考えても居ないかもしれないですけど)な感じ。まあ一クールのアニメという尺でそこまでは当然描けないので、大体の区切りで終わりにするか、或いはオリジナル展開で話を終わらせるかの二択だと思われます。
突っ込みどころは色々あります。ただ、そういった突っ込みどころは例えばギャグ漫画だって持っているもので、人は爆発に巻き込まれたら普通は死にますし、次の回でぴんぴんしているのはギャグ漫画ならではの表現です。これらの作品における突っ込みどころはいわばそういうものと同義で、突っ込むのは野暮であるという指摘も確かにあります。
ただ、ギャグ漫画はその「粗がある」事で振り切れるという利点があって、そこが笑いに変わるのですが、どうもその辺がやっぱり弱いかなというのは少し前に記事を書いた慎重勇者とも同じ弱点ですね。黄金期のジャンプ漫画だって突っ込みどころが多かったので粗なんてあって結構(勿論無い方が良い)なんですが、その粗をかき消せるほどの良さは見当たらないかなというのが正直な感想です。
キャラはまあまあ可愛い。そこそこ良いシーンや爽快感もある。ただ、それだけでは粗だらけの設定を補いきれず、全体としてはマイナスという作品ですね。粗をネタにして楽しむには使えると思いますが、それ以外の楽しみ方は無理かなぁという感じ。可愛いキャラも居るんですけどねぇ。